2024年01月14日
【「夢人たち」生涯現役人生】第2回 渡部昇一編〈後編〉
┃ 心に若さを、永遠に灯し続けている人になろう
「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」で始まるサミュエル・ウルマンの「Youth」、日本では「青春(の詩)」をご存知でしょうか。「Youth」は、彼が70歳を超えて書かれた詩です。そして、「大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受け取る限り人の若さは失われない」と答えが導き出されます。心に若さを、永遠に灯し続けている人を、私たちは “夢人”と呼びます。
※松永安左エ門訳を引用
◆◇目次◇◆
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1 夢人シリーズ:渡部昇一編〈後編〉
2 夢人コラム:ある言葉を支えに
3 夢人になるためのヒント:2つ目
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┃ 1┃夢人シリーズ:渡部昇一編〈後編〉
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著者が77歳のときに執筆した著作『95歳へ!』は、60歳からの35年を設計するシニアのための幸福論です。77歳から遡ること10年の間、昇一先生は幾人もの矍鑠たる高齢者と対談し、健康に晩年を過ごすためのノウハウを著者なりに咀嚼して、この一冊にしたためました。若いときとは違って、高齢になってからの失敗はさすがに厳しいと考え、「失敗しないように、どうしたら最も賢明か」という選択肢を探ったと言います。
まず、在りきは「あらまほしき」イメージ。「望ましい、理想的な」という意味であり、昇一先生が最初に描いた強力なイメージは「池のある家」でした。幼い頃、祖母の生家の庭には小さな池があり、鯉や鮎が飼われていて、当時としては貴重な蛋白源だったそうです。そのイメージは実現し、そして、もう一つが既出の恩師の着物姿と書斎でした。
最近ではロサンゼルス・ドジャーズに移籍した大谷翔平選手が使った“曼荼羅チャート”が有名になりましたが、目標達成のために何が必要かを考え、イメージすることで、目標が本人をそのステージへと引っ張り上げてくれると言われています。また、昇一先生は自嘲しつつ、自著『知的生活の方法』がイメージづくりのヒントになると語ります。ポイントは願望を持ち続けること。「念ずれば花開く」ではなく「念じ続ければ花開く」だそうです。
昇一先生は江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎の『言志晩録』の「少にして学べば則ち壮にして為すあり。壮にして学べば、老いて衰えず……」について、「壮にして学ぶ」とは仕事以外の別のプラスアルファを学ぶことで、「老いて衰えずに」になると解説。また、「老いて学べば則ち死して朽ちず」について、死後の世界を信じるや否や、を自問します。「死後の世界はない」のほうに賭けた人は、アタリでも何もよいことはないし、ハズレの場合は準備不足で困ったことが起こるという面白い解釈を披露しています。しかし、これは数学者パスカルが『パンセ』のなかで解いた考え方でもありました。しかし、「老いてなお、学び続ける」本当の理由は、それが「楽しくて仕方ない」というのが、昇一先生の本音のようです。
巻末では、25のアドバイスを提案。「時間はたっぷりあるので焦らなくていい」、「願望は紙に書いて貼っておこう」、「恍惚となる時間を増やそう」、「毎日、音読する習慣を付けよう」、「毎日、三〇分昼寝をしよう」など、など。同氏の「あとがき」の最後の文章を紹介し、渡部昇一先生の章を書き終えたいと思います。「老人は肉体的には成長できない。(中略)しかし祈りや、瞑想や、読経などにより、精神的には最後まで成長できるのである」。
参考文献:『95歳へ!』飛鳥新社/『一冊まるごと渡部昇一』致知出版社
*** もっとおススメ本 ***
帰天後、わずか21時間後に収録された『渡部昇一 日本への申し送り事項』、その半年後に発刊された『渡部昇一 死後の生活を語る』に続いて、本書は帰天三年目の霊言です。渡部先生の語り口調はいつも通りで、明るい気分になれるのもいつも通り。
第一章では、天上界における新たなる出逢いや「知的生活」が明かされます。なかでもこの世で読むことができる「大川隆法著作シリーズ」と、あの世で読むことができる経典の中味との違いにショックを受ける方も少なくないでしょう。第二章では、誰もが聞きたかったコロナ問題に言及し、「自助論」の必要性を強調しました。生きながらにして天上界の視点を実感できる一書です。
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明治維新の志士たちの魂を震わせた書『言志四録』に収められた珠玉の言葉「老いて朽ちず」。それを現代風に説いた知的で健康的なエイジレス生活は、誰もが読みたくなる一書に違いありません。
第一章では、若い人から学び、自分を変化させる実践法のほか、老いても朽ちないための「四つの秘訣」、エイジレス生活「五つの習慣」など、具体的で実践しやすい内容です。第二章では、スマホ時代における「読書の効用」を解説。ケータイやスマホの問題点とともに、良書を読むことの大切さが語られます。
著者プロフィル |
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大川隆法(おおかわ りゅうほう) 幸福の科学グループ創始者兼総裁。 1956年、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。信者は世界169カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。著作は42言語に翻訳され、発刊点数は全世界で3150書を超える。また、27作の劇場用映画の製作総指揮・原作・企画のほか、450曲を超える作詞・作曲を手掛けている。 |