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【「夢人たち」生涯現役人生】第7回 山崎豊子 編〈前編〉

┃ 心に若さを、永遠に灯し続けている人になろう

 「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」で始まるサミュエル・ウルマンの「Youth」、日本では「青春(の詩)」をご存知でしょうか。「Youth」は、彼が70歳を超えて書かれた詩です。そして、「大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受け取る限り人の若さは失われない」と答えが導き出されます。心に若さを、永遠に灯し続けている人を、私たちは “夢人”と呼びます。
※松永安左エ門訳を引用

◆◇目次◇◆
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 1 夢人シリーズ:山崎豊子 編〈前編〉
 2 夢人コラム:新たな強み
 3 夢人になるためのヒント:7つ目
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┃ 1┃夢人シリーズ:山崎豊子 編〈前編〉
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 山崎の研ぎ澄まされた感性によって浮き彫りにされる人の心の奥に潜む喜怒哀楽と葛藤は、読み手をいつの間にか引き込んでいきます。小説のなかで生き生きと動き出し、その感情をほとばしらせる登場人物たち。迫真の人間ドラマが描かれているからこそ、映像として見ても底抜けに面白いのでしょう。まさに医学界にメスを入れた『白い巨塔』、財閥一族の悲哀を描いた『華麗なる一族』、奇しくも政界の大事件に先駆けて描かれ、不朽の名作となった『不毛地帯』など、魅力的な作品は枚挙に暇がありません。2009年、エッセイ集の「あとがき」に記した言葉。「ある編集者の(中略)云った通り、「原稿用紙と万年筆を持ったまま棺に入る覚悟でいる。」は、予言通りでした。最後まで筆を置くことなく、完成を待たずして絶筆となった『約束の海』は、生涯現役を貫いた象徴的な作品です。

 その精緻な取材ぶりは鬼のように凄まじく、その一方で天真爛漫な性格だったと当時の担当編集者たちは口を揃えます。取材では一切手を抜くことなく、取材先が海外であろうと出かけるその凄まじいバイタリティ。また、取材で感じた人の喜怒哀楽を、一つ一つ噛みしめながら、登場人物に宿らせる筆致は、他の追随を許さないリアリティを感じさせます。彼女の作家としての人生は、小説を書くことがそのまま生きることであった幸福感に満ちたものであったに違いありません。

 1924年、老舗昆布屋「小倉屋山本」の長女、つまり〝嬢(いと)はん〟として船場に生まれましたが、愛称は〝こぼんちゃん〟。小学生前後の男の子の意味で、やんちゃな性格がそのまま愛称になったのだとか。読書好きで、学校の先生を志し、京都女子専門学校(現京都女子大学)へ進学。しかし、卒業後は毎日新聞の記者として文筆家デビューを果たします。1957年、勤務の傍ら書き上げた『暖簾』を発表。その翌年には『花のれん』が直木賞を受賞します。そのときの感想を「受賞ということは、何をおいても、しんどいことです。そこには、一種の負担と義務が感じられるからです」と赤裸々に語っています。

 新聞社を退社し、本格的に作家生活に入り、その後、数々の名作を遺しますが、初期の小説の舞台は、もっぱら大阪です。情に熱く、情に脆い関西ならではの気質が、物語をよりいっそう面白くしているように思えます。やがて、長編の社会派小説が描かれるにつれて、舞台は世界へと広がっていきました。後編では彼女の代表作に迫ります。

文責:木藤文人

 

参考文献:『山崎豊子 スペシャル・ガイドブック』新潮社山崎プロジェクト/『山崎豊子先生の素顔』(野上孝子著)文藝春秋

*** もっとおススメ本 ***

●『幸福の科学の基本教義とは何か』
―真理と信仰をめぐる幸福論
/大川隆法(著)

/1,650 円(税込)
(2013年12月発刊)
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 世界的な学者や、いろいろな賞をもらった人であっても、死後、どこに行っているか分からない人は大勢います。(中略)名声が、即、天国につながっているかどうか、分からない人はいると思います(注。死後の様子を調べたものとして、『サッチャーのスピリチュアル・メッセージ』『酒井雄哉 日本天台宗大阿闍梨に引導を渡す』『山崎豊子 死後第一声』『ネルソン・マンデラ ラスト・メッセージ』〔いずれも幸福の科学出版刊〕などがある)。その意味で、どこか心を空しゅうして生きている部分がなければならないのです。この世的な事業を大きくしたり、使う人、部下になる人がたくさんいたり、ついてくる人が多くなったりすればするほど、謙虚さや無私の心、無我の心というものを、忘れないようにしたほうがよいでしょう。
(PP.126-127)


●『山崎豊子 死後第一声』
/大川隆法(著)

/1,540 円(税込)
(2013年12月発刊)
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 だから、瀬島龍三のような人をモデルにして描いて……。(中略)もう、頭がよかったし、若くして出世されて(第二次大戦で帝国陸軍の)作戦参謀をされたけど、敗れた。しかし、シベリアで抑留された人たちの身代わりになって、現地に残った。このへんは、軍人としては、すごく誇り高い、明治の軍人みたいなものも感じるよねえ。社会復帰してからも、なかなか節を曲げない部分もあった。請われて商社に入ったところが、だんだん、もとの「軍の参謀的機能」の面が大きくなっていってね。“商戦”というかたちではあるけれども、(中略)戦いに入っていく。(中略)

 でも、それも終わって、内閣の顧問みたいなものをやったり、皇室関係にもアドバイスしたりというふうに、すごく巨大なかたちになっていった方ですよね。これを解明するのは、そんなに簡単なことではなかったと思うんだけど、「神仏は、なぜ、こういう人をつくられ、こういう運命のなかに置かれて、実験されているのか」を、やっぱり知りたいよなあ。だから、(中略)本当に、神のお心、「なぜ、そうされるのか」っていうことを知りたいんですよねえ。
(PP.97-98)

著者プロフィル
大川隆法(おおかわ りゅうほう)
 幸福の科学グループ創始者兼総裁。
1956年、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。信者は世界180カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。著作は42言語に翻訳され、発刊点数は全世界で3200書を超える。また、28作の劇場用映画の製作総指揮・原作・企画のほか、450曲を超える作詞・作曲を手掛けている。

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