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【人生いつからでも学び直し】第12回 『比較宗教学から観た「幸福の科学」学・入門』

┃ 人生の大学院 幸福の科学 大学シリーズ (#2)

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┃ 2┃Pの書斎より:仏性を見つめる
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 人間に“仏性”ありとする考えは、仏教の基本思想です。人間は煩悩や欲望に振り回されて悪を犯したり、苦悩をつくったりしますが、真理に反した思いと行ないを反省によって拭い去り、心の垢を洗い流せば、光り輝く仏性が顕れ、苦悩から救われると言います。ここには、万人への救いと向上の可能性を示す、人間への限りない信頼があります。

仏性には、仏教的な悟りの意味では、神秘思想へと踏み込むもっと深淵なものがあるのですが、私は、「仏性を見つめる」ということを考えると、儒教にあるエピソードが浮かんできます。手近な努力のあり方を見つめ、向上への意欲が湧いてくるからです。それは、子路が孔子に入門する際の問答です。

孔子「汝、何を好むか」
子路「われ、長剣を好む」
孔子「学は則ち如何?」
子路「学、あに、益あらんや」

学ぶことに利益はない、と主張する子路に、孔子は「学」の大切さをせつせつと説き聞かせます。いかに優れた南山の竹でも、そのままではものの役には立たない。これに磨きをかけ、羽をつけ、鏃(やじり)をつければ、堅い岩をも突き通す有用なものとなるのだ。すなわち、「馬に策(むち)が、弓にケイ(=張りのこと)が必要なように、人にも、その放恣な性情を矯める教学が、どうしても必要なのだ。自らを磨いて、はじめて有用の材となるのだ」と。これは、戦前に活躍した小説家・中島敦氏の「弟子」の一場面ですが、出典は「『孔子家語』(巻5、子路初見第19)」にあり、経典『心を練る 佐藤一斎の霊言』でも紹介されています。

人は常に悩みを抱えて生き、悩みとその解決の連続が人生であると言えるかもしれません。経典『幸福の原点』には、悩みの原因は根本的に、自分、他人、仏に対する信頼ができないときに生じてくる、と説かれています。人間には、仏から与えられた仏性が宿っていると知るならば、この三種の信頼と自らの努力への信頼が生まれ、「悩みという名の苦しみ」を「悟りという名の幸福」に変えていくことができるのだと思います。


著者プロフィル
金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


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┃ 3┃この感動をあなたに~書籍編:『ブルーピリオド』
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派手な見た目とは裏腹に、成績もよく、不良というレッテルを貼られているとはいえ、友だちづきあいも卒なくこなす矢口八虎(眞栄田郷敦)。ある日、忘れたタバコを取りに教室(美術室)に戻ると、巨大な一枚の絵が彼の目に飛び込んできました。

祈りをテーマに描かれたその絵の前で、何ともいえない衝撃を受け身動きができなくなった八虎。彼は心のなかの何処かに、夜の街で友だちとオールで騒いでいても、どこかバカになり切れない自分に気づいていたのです。彼は自分の気持の赴くままに、なりふり構わず絵の世界へとのめり込みます。そして、親が良かれと思って敷いたレールから外れ、実質倍率200倍といわれる超難関大学、東京藝大を目指すことになるのです。

原作は2017年から『月刊アフタヌーン』に連載され、2020年にマンガ大賞を受賞した同名の漫画作品。作者本人が藝大出身だけに、本作に出てくる画法や技巧、舞台背景などはとてもリアルです。また、そこには感性を刺激する名セリフも。「好きなことをする努力家はね、最強なんですよ」、「後悔はないですよ、反省は死ぬほどあるけど」……。

加えて八虎を取り巻く仲間たちは、とても個性的で魅力的です。優れた容姿で、同級生から人気の鮎川龍二(高橋文哉)。男性ながら“ゆかちゃん”と呼ばれ、女装も本格的ですが、心の葛藤をかかえています。また、天才肌の描き手としてライバル的存在の高橋世田介(板垣李光人)、美術部の先輩で、八虎が衝撃を受けた絵を描いた森まる(桜田ひより)らが脇を固めます。

また、ことあるごとに八虎を励ます美術教師、佐伯昌子(薬師丸ひろ子)や予備校の美術講師、大葉真由(江口のり子)の存在も光ります。シリアスな藝大の受験風景も見どころの一つ。「自分には努力しかない」と情熱だけを武器として美術の世界に飛び込んでいく主人公の姿に思わずエールを贈りたくなる作品です。

文責:木藤文人


映画『ブルーピリオド』サイトはこちらへ
(『ブルーピリオド』ポスター画像は、https://natalie.mu/eiga/film/196122 より引用)

*** 参考文献 ***

 「今、学校でしている勉強は、直接、職業にはつながらない。英語、数学、理科、社会、現代国語、古文など、いろいろと勉強させられるけれども、これらは、そのまま職業につながるものではない。(中略)」という、学校のカリキュラムに対する不満もあるだろうと思います。

ただ、「全国の生徒が同じようなカリキュラムで勉強しているにもかかわらず、得意科目と不得意科目が出てくる」ということは、「学校で勉強をしながら、実は、自分の将来の職業選択をしているのだ」と考えることができるのです。(中略)

「好きこそものの上手なれ」と言いますが、好きなもののほうに、だいたい自分の適性があると考えてよいのです。例えば、「英語がとても好きで、英語を勉強していると楽しい」と思うならば、やはり英語に関係のある職業へ行くと、成功する可能性は非常に高いでしょう。また、「数学がとても好きで、やめられない。数学を勉強していると、本当に知的な快感がある」という人は、数学を使う職業に行くのが良いかもしれません。

あるいは、「勉強のほうは駄目だけれども、体育には自信がある」という人は、体を使うような職業を考えたほうがよいでしょう。学校のカリキュラムに不満を持つ人もいるかもしれませんが、「得意科目と不得意科目の違いが出ることは、将来の自分の進むべき道を教えてくれているのだ」と考えることです。得意科目と不得意科目のバランスを見て、「自分の運命はどのようなものか」ということを読み取っていただきたいと思います。
(PP.126-128)

※以上『勇気の法』より抜粋
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企画、構成
編集者プロフィル
木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。




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