|第119回「理想の会社の創りかた」-勤勉なる精神(10)- #2
二宮尊徳翁の報徳思想は、「至誠」、「分度」、「勤倹」、「推譲」から成り立っています。「至誠」とは真心を尽くすこと。「分度」は分限度合のことで、年収から割り出す支出の限度のこと。「勤倹」は勤勉で倹約のこと。「推譲」とは、勤倹によって生じた余剰を社会や子孫に譲ること。受けた恩義を報いるという報徳思想は、現代に通じる考え方です。
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尊徳先生の教えで私がよく使っているのは、たらいの教えなんかをよく使っているのですけれども―「たらいのお湯を自分のほう、手前に寄せようとすると、お湯は逃げて向こう側に行ってしまう。ところが、向こうのほうにやろうとすると、グルッと回って戻ってくる」というような教えです。
これは何を言っているかというと、「与える愛、奪う愛」の考え方でもあるし、経済的に見れば、利益やサービスについての考え方になると思うのです。
これとは違うもう一つの教えを、尊徳神社のパンフレットのなかから頂いたのです。それは、尊徳先生が言った言葉のなかで、「大人がお風呂に入って、『お風呂の湯が足りなくて、肩まで浸かれない』というようなことばかり言う。しかし、お風呂の湯船のなかでしゃがんだら、湯は上まで上がって肩まで浸かるんだ。なのに、立ったままで、肩まで浸かれないということで文句を言って、『もっと湯を増やせ』というようなことばかり言っている。しゃがめば、それで十分に肩まで入るようになるんだ」というふうなことを言っているところです。
※以上『減量の経済学』より抜粋
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たとえば、会社勤めをしているサラリーマンの多くは、「一日も早くサラリーマンを辞めて、毎日、自由に暮らしたい」と思いつつ、定年まで生きていくわけですが、やっと定年を迎え、会社勤めがなくなると、今度は自由な時間をもてあましてしまい、何をしたらよいかが分からなくなるのです。
これは魂の本質にかかわることです。魂というものは本質的に勤勉にできているのであり、怠けるようにはできていないのです。だからこそ、ときどき、休みたくなり、さぼりたい気持ちにもなるのですが、そうした怠惰な気持ちでは長い年月を耐えられないようになっています。
すなわち、魂は本質において生産的であり創造的なのです。これが魂の性質です。
※以上『永遠の法』より抜粋
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著者プロフィール |
大川隆法 Ryuho Okawa
幸福の科学グループ創始者兼総裁。
1956年、徳島県生まれ。東京大学法学部卒業後、大手商社に勤務し、ニューヨーク本社で最年少の財務担当オフィサーとして、年間1兆円の輸出入、三国間・国内の外為実務の事実上の責任者として活躍した。帰国後、大手銀行二十行の資金交渉担当役に抜擢される。
1986年、幸福の科学を設立し、日本全国、世界各国に精舎、支部・拠点を展開。日本最大規模の組織をつくりあげた。著者の経営理論を実践し、上場した企業も多く、優れた経営者が続々と誕生している。 |
編集・執筆:木藤 文人[ジャーナリスト]
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