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2025年02月08日
【人生いつからでも学び直し】第17回 『政治哲学の原点』
┃ 人生の大学院 幸福の科学 大学シリーズ (#2)
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┃ 2┃Pの書斎より:謙虚さについて
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。
在家時代の入社一年目の頃に、関連企業の関係者の葬儀に専務と同行したことがありました。専務は柔和な性格で腰が低く、ご遺族の方やその関係者に対してはもちろんのこと、新人の私に対しても丁寧に接してくださいました。その“謙虚さ”に非常に感動したことを、今でも思い出します。これはまだ、世俗的な理解でしたが、謙虚さには奥深い意味があります。
『仏陀再誕』に、謙虚さとは「他の多くの人びとの力を受けているということを、また仏の力を受けているということを、自らに言いきかせ、自らの慢心を防ぐをもって旨としている」と説かれています。
私も二十代の頃、自分がうぬぼれ、慢心していることをわからずにいたことが多く、ある方と久しぶりにお会いした際、「随分謙虚になりましたね」と言われてがく然とした経験があります。自分ではなかなか自覚できていないのだと深く反省して、三つのチェック・ポイントで自らの謙虚さについて振り返るようにしています。
第一は、「感謝」の心を忘れていないか。謙虚でなければ感謝はできず、感謝の心が少ないようなら、それは慢心している証拠です。第二は、「努力」の心が緩んでいないか。謙虚な努力がないならば、それは出来上がっている証拠で、ちょっとした努力で、できた気になるのは天狗の特徴です。第三は、「与える愛」の心で生きているか。他人、環境への不平不満や裁き心が強いときは、利他・愛他の心ではなく、「自己愛」人間になっているときです。
『なお、一歩を進める』には、自我を抑える訓練をしないと学ぶことが少なくなる、と指摘されています。「天狗の芸は行きどまり」と言われるように、慢心していると、辿りつく先は転落しかありません。自慢話ばかりをして、ライバルに勝つためには手段を択ばないとされる天狗への戒めの楽曲「さらば、うぬぼれ天狗」(大川隆法作詞・作曲)をよく聴いて、偉大な仏に勝る力はないと心の底から悟った時、仏にお仕えできることが心からの喜びとなり、人間としての聖なる使命を果たすことができるのだと思います。
著者プロフィル |
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金子一之(かねこ かずゆき) 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。 |
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┃ 3┃この感動をあなたに~映画編:『雪の花 ~ともに在りて~』
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先月号で紹介した吉村昭原作『雪の花』が映画化され、1月24日から全国の映画館で公開されています。史実に基づくストーリーを丁寧に描き上げた原作者の思いを、丹念に汲み取って出来上がった作品だと言えるでしょう。
監督は、1990年初期の黒澤映画の助監督を務め、彼の遺作シナリオ『雨あがる』で初監督を務めた小泉尭史が担当。『雨あがる』とともに日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した『阿弥陀堂だより』のほか、『蜩の記』、『博士の愛した数式』などが代表作として知られています。主人公の笠原良策には松坂桃李、その妻・千穂役にはビールのCMで話題の芳根京子、良策を導く蘭方医・日野鼎哉役には役所広司と豪華キャスト。吉岡秀隆や山本學、増岡徹などのベテランが脇を支えています。
物語は江戸時代末期、死に至る病として恐れられた天然痘を撲滅するために、身命を賭して闘った一人の町医者を描いたものです。多くの人びとの死を前にして、手を拱いていただけの町医者、笠原良策は、自分の無力さを責めます。その良策を明るく励まし続ける妻・千穂。やがて良策は種痘法という西洋の感染症予防の技術を知り、それに必要な「牛痘苗」を探すために各地を奔走します。
「牛痘苗」を見いだし、一日も早い接種を試みる良策の前に、当時の藩(福井藩)の遅々とした役所仕事がその志を阻みます。何度も上訴を繰り返し、名藩主、松平春嶽の取りなしによって、やっとの思いで種痘館が藩に設立されました。死に至る病から人々が逃れられるようになるまで、実に13年の歳月がかかりました。全編、無私、無我の精神が紡がれた映画。蘭方医・日野鼎哉が語った「名を求めず、利を求めず」は、今、日本で失われつつある大切な心を思い起こさせてくれます。終盤の太鼓のシーンは、美しく肝の据わったヒロインを演じた芳根京子の魅力のなせる技であり一興です。
映画『雪の花-ともに在りて-』サイトはこちらへ≫
(映画『雪の花-ともに在りて-』ポスター画像は、https://www.cinema-factory.jp/2024/09/12/57303/ より引用)
*** 参考文献 ***
企画、構成 編集者プロフィル |
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木藤文人(きどうふみと) ジャーナリスト、宗教家。 大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。 |
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