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【「夢人たち」生涯現役人生】第6回 ヘレン・ケラー編〈後編〉

┃ 心に若さを、永遠に灯し続けている人になろう

 「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」で始まるサミュエル・ウルマンの「Youth」、日本では「青春(の詩)」をご存知でしょうか。「Youth」は、彼が70歳を超えて書かれた詩です。そして、「大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受け取る限り人の若さは失われない」と答えが導き出されます。心に若さを、永遠に灯し続けている人を、私たちは “夢人”と呼びます。
※松永安左エ門訳を引用

◆◇目次◇◆
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 1 夢人シリーズ:ヘレン・ケラー編〈後編〉
 2 夢人コラム:第二の人生
 3 夢人になるためのヒント:6つ目
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┃ 1┃夢人シリーズ:ヘレン・ケラー編〈後編〉
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 ヘレン・ケラーを巡る人々として、前編でも紹介しましたが、彼女を支え続けたアレクサンダー・グラハム・ベル博士がいます。ヘレンの初めての自伝『わたしの生涯』のなかには、「聴覚障害者に話し方を教え、遠く離れた人々がいつでも話し合うことを可能にした偉大な発明家に捧げる(一部略)」というベル博士へのメッセージが記されています。その『わたしの生涯』の執筆を手助けした記者、ジョン・メイシーは、サリバン先生の夫でもありました。

 また、『トム・ソーヤの冒険』の著者として知られるマーク・トゥエインは、読唇法を学び始めた14歳のヘレンに、捧腹絶倒の面白い話を聴かせました。ヘレンとサリバンの関係を称賛し続けた一人です。イギリスの喜劇俳優、チャップリンは、ヘレンが映画に出演するとき、わざわざハリウッドを訪れ、演技のアドバイスをしています。ともに世界平和を訴えかけた同志です。日本人のなかでは、日本盲人協会を設立した岩橋武夫がいます。岩橋はアメリカのヘレンの家を訪れ、日本での視覚障害者を支援する組織への協力を依頼しました。その3年後、ヘレンは初来日を果たします。

 こうしたさまざまな人々に支えられたヘレンですが、偉人伝や日記でもあまり紹介されることのない人物がいます。彼女の人生にとって、もっとも大切な“信仰”を教えてくれた、預言者スウェーデンボルグその人です。彼女の著作『私の宗教 ヘレン・ケラー、スウェーデンボルグを語る〈決定版〉』から、その経緯を紐解いてみましょう。

 彼女はある日のこと、輝くほどの幸福感に満ちあふれていました。そのとき、彼女の魂は、遥か何千マイルも離れたギリシャ、アテネの地に現実感をもってたどり着いていたのです。それは、彼女に身体の制約を超えた霊魂の実在を確信するのに十分な出来事でした。彼女にとって、バイブルはイエスの物語以外、とくに夢中になって読む書ではありませんでした。そうした当惑を抱えた彼女のもとに現れたのが、ジョン・ヒッツです。長年、スイス総領事を務め、その後、ベル博士の発明を元に設立された“聾者に関連する雑誌を発行する基金”の局長に就任していました。彼との交流のなかで、ヘレンはスウェーデンボルグの『天国と地獄』の点訳を手にすることになります。そのなかにヘレンは、教訓のなかに込められた神の言葉の真意を受け取ったのです。

 スウェーデンボルグが稀代の霊能者であり、霊界探訪の第一人者であるということは多くの人が知るところです。幸福に科学においても支援霊の一人として、数多くの霊言に登場しています。ヘレンの『私の宗教』には、1744年、スウェーデンボルグが56歳頃に、天界や地獄界で起こる事象を見たり、聴いたりできる能力を授かったこと、その特権を22年にわたって保持していることが書かれています。そして、そのことについてヘレン自身が、「どういうわけだか私にだけは、彼が意味したことを部分的にせよ理解できるような気がするのです」と綴っています。さらに、「聖書を正しく読み、正しく解釈すれば、神についてもっとも真実でもっとも高貴な概念を読み取ることができる、という思想が、スウェーデンボルグの全著作には一貫して流れています」とも語っています。

 最後にスウェーデンボルグの著作『真のキリスト教』より、抜粋を紹介します。「思いやりの歓びでもある愛の歓びは、善なるものを善と呼ばしめ、信仰の魅力でもある知恵の魅力は、真なるものを真理と呼ばしめる。それは、さまざまな種類の歓びと魅力が善や真理の生命を生み出すからであって、もし喜びと魅力から生まれる生命がなければ、善や真理は無生物のようなものであり、実を結ぶこともないからである。その喜びが本質的に善である愛は、肥沃な土地に、果実やトウモロコシ畑に、実りをもたらし、生気をもたらし、実効をもたらす、太陽の熱のようなものである。それが作用するところには、いわば楽園が、エホバの園が、カナンの地が創り出される。また、真実の愛の魅力は春の陽ざしのようであり、開花とともに馥郁たる芳香を放つ麗しい花々が生けられたクリスタルの花瓶にさしこむ陽光のようである」。(『私の宗教』に所収)

文責:木藤文人

 

参考文献:『この人を見よ!歴史をつくった人びと伝6 ヘレン・ケラー』ポプラ社/『私の宗教』未來社

*** もっとおススメ本 ***

●『ヘレン・ケラーの幸福論』
/大川隆法(著)

/1,650 円(税込)
(2014年11月発刊)
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 本書では、信仰の目覚めのきっかけとなったスウェーデンボルグについて、ヘレンが語っています。
 「スウェーデンボルグさんも、「天界の秘義」や「天界と地獄界」について、いろいろな教えをたくさんお説きになられて、たぶん、二千年前のイエス様が、十分に解き明かせなかった部分のところを、お埋めになられたんだと思うんですけどもね。そういうところを十分に広げるお手伝いをしたかったんですが、なかなか、そこまではいかなくて、やはり、「障害者が社会活動できる」っていうレベルのところの理解で止まっていたことが多くて……。」
(PP.71-72)

 「「スウェーデンボルグ様の説かれている世界」は、この世に生きておられる人たちには見えない世界ということなので、「見えない世界のことについて説いておられる」という意味では、私にとってハンディがないんですよね。(中略)むしろ、「この世が見える」ということが、ある意味での“サングラス”になってしまって、それを通してでないと物事が考えられない、見えない人がいる。」
(P.74)


●『永遠の法』
―エル・カンターレの世界観―
/大川隆法(著)

/2,200 円(税込)
(1997年7月発刊)
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 現在、物理学では、「私たちが住んでいる世界は、三次元、四次元、五次元、六次元、七次元、八次元、九次元、こうした世界の多重構造のなかにある」ということが分かってきています。(中略)近代のヨーロッパに生まれた霊能者に、スウェーデンボルグという人がいます。この人は、あの世の世界、霊界を探検し、その記録を遺しています。そのなかで、「上を見上げてみると、目に見えない透明の幕のようなものが天にかかっており、さらにその上の世界があるようだ」というような表現をしています。現実には、こうした視覚的なものがあるわけではないのですが、段階は実際にあるのです。
(P.64-67)

著者プロフィル
大川隆法(おおかわ りゅうほう)
 幸福の科学グループ創始者兼総裁。
1956年、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。信者は世界178カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。著作は42言語に翻訳され、発刊点数は全世界で3200書を超える。また、28作の劇場用映画の製作総指揮・原作・企画のほか、450曲を超える作詞・作曲を手掛けている。

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