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【人生いつからでも学び直し】第16回 『もし湯川秀樹博士が幸福の科学大学「未来産業学部長」だったら何と答えるか』

┃ 人生の大学院 幸福の科学 大学シリーズ (#2)

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┃ 2┃Pの書斎より:凡事徹底の効用
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 今回「凡事徹底」という禅的精神の効用として挙げたいことは、私たちをプロフェッショナルにまで高めていく力となる点です。一流人材の共通点には、基礎鍛錬、基本動作を徹底してやり込む「凡事徹底の精神」があります。経典『凡事徹底と静寂の時間』で紹介されているプロ野球・巨人軍元監督の川上哲治氏は、『勝つための条件』(ごま書房)という著書のなかで「徹すれば壁は破れる」という川上流「凡事徹底」の真髄を語っています。

 その特徴の第一は、「努力に徹する」こと。監督時代、「運が悪かったと考えるな。努力が足りなかったと考えよ。何事も忘れてとことん努力すれば必ず運は開け、進歩することができる」と選手に口酸っぱく話したといいます。徹底的な基礎訓練、「練習、練習、また練習」を基本として、スランプですらも練習で乗り越えていく。V9を達成したかつての巨人軍の強さは、他の球団が恐れをなす圧倒的な練習という凡事徹底によるものなのです。

 第二は、「無心に徹する」こと。川上氏は禅修行もされ、有名な「ボールが止まって見える」境地も、自分の邪心を捨てて無心になるまで徹底的に坐り抜く坐禅修行によるものです。当時の巨人軍の花形、王・長嶋両選手も、ホームランを打つ時は無我の状態だったようで、そこに到るには我を忘れる猛烈な練習量、隠れた努力があったと川上氏は語っています。

 「凡事徹底」は人生の足腰を鍛え、「静止しているかのように高速度で回転するコマ」の如く、忙しく高度な仕事をしながらもまったくブレない静寂な自分、禅に言う「平常心」の悟りがあります。さらに、基本に忠実に自分を厳しく鍛えていくなかに宿る光は、多くの人に勇気や感動を与えていきます。この「鍛錬の光」を信じてやまないことです。

 幸福の科学の経典には、『凡事徹底と静寂の時間』をはじめこのテーマの経典が4冊(『凡事徹底と成功への道』『凡事徹底と独身生活・結婚生活』『凡事徹底と人生問題の克服』)が発刊されており、現代人向けの禅的生活の核心が説かれています。ぜひお読みください。


著者プロフィル
金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


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┃ 3┃この感動をあなたに~書籍編:『雪の花』
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 江戸時代の末、日本各地を幾度となく襲った天然痘という死に至る病。一旦、発症すれば医者とて手の施しようがなく、感染症を避けて患者に近づきもしません。家族さえも感染を怖れて家を離れ、置き去りにされた患者は悶え苦しみながら息絶えるのが日常でした。福井藩の町医者、笠原良策も、唇を噛みしめながら棺の列を見送るばかり。ある日彼は、蘭方医と出会い、漢方に固執していた自らの姿勢を改め、西洋医学に対して心を開くようになります。やがて、彼は種痘法という感染予防の技術があることを知り、それに必要な「牛痘苗」を探すために各地を奔走することになるのです。

 種痘法を知ってから、実際に人々がその施術によって死の病から逃れることができるようになるまで、実に13年という歳月がかかりました。それは病との戦いだけではなく、硬直化して、緩慢であった当時の藩(福井藩)の行政との戦いもありました。遅々として進まない役人の仕事ぶり、藩医の町医者に対する蔑み、空気によって操られる風潮のある当時の人々の不信感などが、人々を救う本物の医術を妨げます。まるで、現代の官僚組織、お役所仕事を見れば、江戸時代のさまを髣髴とさせ、苦々しくさえ思えます。良策は「牛痘苗」を手に入れるために長崎へと向かうときに、和歌を詠みました。「たとえわれ 命死すとも 死なましき 人はし(死)なさぬ道ひらきせむ」。これ以上、天然痘によって人を死なせなくない、そのための道を拓くのだという並々ならぬ決意が顕れでした。

 著者である吉村昭は、東京の西日暮里出身の作家。東日本大震災の折、その著作『三陸海岸大津波』が評判になったことでも知られます。ほかにも『高熱隧道』や『熊嵐』、『戦艦武蔵』など、地道な現地調査や関係者へのインタビューなどを通じた緻密なノンフィクション小説の書き手として有名です。この原作をもとにした映画「雪の花-ともに在りて-」が、2025年1月24日に公開の予定。主人公の良策には松坂桃李、その妻千穂役に芳根京子、良策を導く蘭方医・日野鼎哉役には役所広司と豪華キャストが揃います。

文責:木藤文人


書籍『雪の花』吉村昭著(新潮文庫)サイトはこちらへ
映画『雪の花-ともに在りて-』サイトはこちらへ
(『雪の花』吉村昭著(新潮文庫)書籍画像は、https://www.shinchosha.co.jp/book/111723/ より引用)

*** 参考文献 ***

 唯物論科学等は、どちらでもないように見えるところもあるし、善にも悪にも働くように見えることもありますけれども、やはり、唯物論のほうで物ばかりを問題にしすぎると、心のほうが分からなくなり、ついては、魂の問題というものを考えなくても生きていける人ばかりになります。もちろん、唯物論も、多少はこの世の世直しには必要な場合もあります。

 例えば、食料がない時代、飢饉の時代もあれば、天然痘やペストなど、いろいろな疫病が流行るときもあるでしょう。そういうときには、衛生上の問題等の改善、例えば下水道の整備や消毒などがなされなければ、たくさんの人が死ぬ場合もあるので、完全に否定はできないものなのです。これを使い分けていくのはなかなか難しいと思います。
(PP.150-151)

※以上『メシアの法』より抜粋
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 結局、人間というものは、どれだけ自分というものを空しくし、そして謙虚で道を求めながら、他人に愛や慈悲を与えうるかということになります。無私で、謙虚で、道を求めながら、人に愛や慈悲を与える存在、これが人間としての究極の存在であります。ですから、このなかで一つ一つを徳目として獲得していく必要があります。

 無私ということができるようになれば、謙虚さということを学んでみる。また、道を求めるということを学んでみる。愛ということを学んでみる。慈悲ということを学んでみる、こうすることが、多宝塔の階段を一歩一歩上がっていくことと同じなわけです。そしてそうした偉人の生涯の向こうにあるものが、神のお心だということです。
(PP.222-223)

※以上『新・心の探究』より抜粋
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企画、構成
編集者プロフィル
木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。




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