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【人生いつからでも学び直し】第13回 『恋愛学・恋愛失敗学入門』

┃ 人生の大学院 幸福の科学 大学シリーズ (#2)

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┃ 2┃Pの書斎より:自己犠牲の精神
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 仏典のなかに、『ジャータカ物語』という経典があります。これは「本生譚」(ほんしょうたん)とも言われ、釈尊の前世での菩薩行が説話形式で説かれている「過去世(かごぜ)物語」です。もちろん、幸福の科学のリーディングのように精緻なものではありませんが、人間が転生輪廻を繰り返しながら菩薩行を積み重ねていく功徳、修行の大切さが、物語ならではの感動とともに学ぶことができるので、私も折にふれ、繰り返し読んでいる仏典の一つです。

この菩薩行の中心として描かれているものが、「自己犠牲の精神」です。「捨身飼虎」(しゃしんしこ)、「大猿」(おおざる)などの説話に代表される、自分の身を捨ててまで利他行のために生きる布施の精神は、「高貴なる義務」の一つとして、その人が真のリーダーやヒーローか否かを見分けるポイントでもあります(『鋼鉄の法』参照)。また、自己犠牲の精神を持っているかどうかは、人間の魂の高貴さをあらわし、動物と人間を分けるものの一つとも言えますが、戦後の教育では失われた精神でもあるでしょう。

数学者である岡潔先生は、1960年代初めに、当時の若者たちの顔を見て、「顔つきが悪くなっている、この国は亡びる」と指摘していました。どう悪いかというと、「若者の顔が、人間の顔ではなく、動物の顔になってきている」、「教育の結果は、顔つきに出る。これは教育が悪いのだ」と言うのです。情操教育をなくした唯物論教育になってしまった結果、高尚なものを求める心を失い、理想や真善美を求めなくなれば、それは人間ではなく動物だという嘆きにはハッとさせられます(岡潔著『春宵十話』より)。

純粋な理想(例えば「真・善・美」)や、神仏、他の人のために自己犠牲を発揮する美しい生き方は、宗教でしか教えることはできません。これは、仏の子としての自分をないがしろにする、自己破滅願望という意味ではありません。この世、肉体がすべてだと考える唯物論・無神論教育を超えて、真の人間になるには、宗教的な「自己犠牲の精神」や「布施の精神」が必要なのだと思います。


著者プロフィル
金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


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┃ 3┃この感動をあなたに~映画編:『サウンド・オブ・フリーダム』
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実話をもとに製作された本作は、全米で異例の大ヒットを記録した「児童人身売買の闇を暴く」センセーショナルなストーリーです。「子どもは5歳なら、1日5回から10回は売れる」。この衝撃的な言葉に始まり、実際にあった犯罪組織と連邦捜査官の壮絶な闘いが描かれています。

アメリカ司法省の統計によれば、毎年、行方不明者として報告される18歳未満の児童は、およそ80万人。離婚率の高いアメリカで最も多いのは、親族によるもので、子どもの親権の奪い合いに起因するケースが20万件以上にのぼります。問題は第三者による誘拐で、チャイルドポルノや臓器売買の餌食になるケースが少なくありません。日本でも2011年の統計によると、行方不明者として報告された19歳未満の児童は、およそ2万人だと言われており、今や増加傾向にあります。

物語では、実在の人物であるティム・バラードが、国際的性犯罪の犠牲となった少年、少女を救い出すというミッションが描かれています。平穏に暮らしていた幼い弟妹が、オーディションと偽った会場から忽然と姿を消してしまいます。たまたま救い出された弟から姉の話を聴き、ティムは大切な家族を残して、事件の温床となっている南米コロンビアに潜入。捜査の許可が得られないことから、ティムは仕事を辞め、マフィアが支配するエリアに乗り込みます。訳ありの前科者、過去に傷をもつ資金提供を申し出てきた資産家、地元警察の協力のもと、大掛かりな囮(おとり)捜査が繰り広げられます。時折、本編に挟まれるのは、実際の映像。極めて悪質な手口で日常的に行われている事件のリアルさが胸を突き刺します。日本での公開に1年以上もかかった背景には、やはりアメリカ社会の闇の濃さを想像するに難くありません。

宗教的要素が極力、排除されたと伺える内容ではありますが、「神の子は売り物じゃない」というフレーズや、物語の途中で“神”のミッションを示唆する場面もあり、「神に創られた人間の尊厳」が十分に伝わってくる映画です。映画の最後には、ティムの思いを汲んだ俳優からのメッセージがあり、劇場からは惜しみない拍手が贈られました。

文責:木藤文人


映画『サウンド・オブ・フリーダム』サイトはこちらへ
(『サウンド・オブ・フリーダム』ポスター画像は、https://hark3.com/freedom/ より引用)

*** 参考文献 ***

 アメリカにしても、今後、スーパーパワーのままでいられるかどうかは、極めて厳しい局面にあるでしょう。オバマ大統領は、大統領就任時の演説で「平等」について述べたとおり、「ゲイ(同性愛者)もストレート(異性愛者)も平等に扱う」という意味では、全米で“ゲイ・マリッジ法”(同性婚法)が合法化されたことを「大勝利だ」と喜び、ホワイトハウスを虹色にライティングして祝っています。(中略)

少数者の権利を護ることは大事である一方で、それがメジャーになった場合には、男女がこの地上に生まれたということの意味がなくなり、子孫を残すということの意味がなくなり、文明としては衰退していきます。(中略)さらに、アメリカにおいては「銃社会」の問題もあります。(中略)

また、「麻薬社会」についても同様です。(中略)それから、先ほどの戦争論ともかかわってくるものとして、レイシズム(人種差別)があります。これもまだ、アメリカのなかに根強く根深く残っており、アメリカの反省として終わっていないものだと思います。(中略)したがって、「先進国だから」といって、すべて受け入れればよいわけではないのです。やはり、受け入れてよいものと悪いものがあると思います。
(PP.239-241)

※以上『正義の法』より抜粋
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企画、構成
編集者プロフィル
木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。




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