TOP>コラム>Winds of Happiness>【人生いつからでも学び直し】第10回 『「ユング心理学」を宗教分析する』
コラム
happywinds

【人生いつからでも学び直し】第10回 『「ユング心理学」を宗教分析する』

┃ 人生の大学院 幸福の科学 大学シリーズ (#2)

◆━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 2┃Pの書斎より:公平観と平等観
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 未来社会の到来を予感させるAIは、ここ数年で大変な進化を続けています。こうした科学技術の進展は、近代社会の悲願だったでしょう。ひところ、「格差社会」という言葉が流行ったことがあります。

所得、学歴、能力の格差など、“差”があることが人間の利益・不利益を生み出す「社会悪」なのだから、この格差を是正すべきだという主張です。経済格差という“差”をなくすことがユートピア社会だと考えたマルクスのように、科学技術は人間の能力の差を縮めることで平等という幸福をめざしているようにも見えます。

いまから百年も前から、哲学者のH.マルクーゼやK.ヤスパースは、科学技術によって生み出された「組織化された大衆」は、自分であることを殺して生きる平均化された「没個性」の「一元的人間」を生み出すと警告しています。こうした画一化は、考えない人間を量産するからです。例えば、脳科学者を中心とした研究者たちは、スマホやSNSへの過度な依存は人間の記憶力を奪う、と主張しています。大川隆法総裁も、思索する時間や本を読む時間が減り、「一日の質が落ちている」(『日本の繁栄は、絶対に揺るがない』)と指摘されています。

政治や経済、科学にしても、行き過ぎた平等=結果平等を求めていくと、人間の自由が死んでしまいます。すなわち結果平等は、人間性の喪失へと向かうのだと思います。その意味で、結果の平等ではなく、「チャンスの平等」と「努力に応じた結果の差を認める公平観」こそ、保証されるべきではないでしょうか。それが万人に可能性を開き、幸福を実現する道だからです。

生まれや学歴、環境に関わりなく、多くの人が自分を磨き、その可能性を開く方法として、幸福の科学では“読書”を勧めています。とくに「幸福の科学の本の百冊は、他の教養書の一万冊分ぐらいに相当する」(『感化力』)と言われているように、良質な知識と智慧の塊です。「真理は汝を自由にする」のです。


著者プロフィル
金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


◆━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 3┃この感動をあなたに~映画編:『青春18×2 君へと続く道』
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「余命10年」の藤井道人氏が監督・脚本を手掛けた日台合作の青春ラブ・ストーリー。台湾では初日に歴代の興行成績1位を記録、アジア各地で大旋風を巻き起こしました。原作は台湾で話題になったエッセイ「青春 18×2 日本慢車流浪記」、日台の国境を越えた淡い初恋の記憶が、時をさかのぼって紐解かれていきます。

 夢を叶え、台湾のゲーム業界で成功したジミー(シュー・ガンハン)ですが、自らが立ち上げた会社を追われてしまいます。失意のどん底にあって、記憶のなかにやさしく甦ってきたのは、アミ(清原果耶)という名の日本人女性でした。

彼女は18年前、旅行中に財布を失くし、ジミーがアルバイトをするカラオケ店に転がり込んできたバックパッカー。少しばかり年上の彼女に、淡い恋心を抱くジミーですが、何故か、アミはわざとらしく彼との距離を縮めようとしませんでした。「人生に夢や希望を持ちましょう。そして夢を叶えたときに、もう一度逢いましょう」と。

 ジミーがアミの故郷、福島県の南会津郡只見町をめざす普通列車の旅。その旅先で出会う人々は誰もが温かく、彼の心の傷を静かに癒していきます。日本有数の豪雪地帯として知られる只見町の雪景色は、無垢な二人の心根を映すように美しく目に映ります。「逢いたい」と告げたジミーからの電話に、「夢を叶えるまでは逢わない」と素っ気なく答えたアミ。

その時、すでに彼女は病床に伏していました。彼女の故郷に辿り着いたジミーは、そこで初めて、彼女が向き合ってきた運命と彼女の優しさを知ることになるのです。

文責:木藤文人


『青春18×2 君へと続く道』公式サイトはこちらへ
(『青春18×2 君へと続く道』ポスター画像は、https://eiga.com/movie/100426/photo/より引用)

*** 参考文献 ***

 独身時代の男女に純潔を要求するには、何らかの精神的なる価値の創造がそこになければならないと思える。私は、その精神的価値の一つは「あこがれ」であると思う。充たされぬ自分であるからこそ、未知なるものへのあこがれは高まってくる。そしてあこがれは、美しきものを限りなく追い求めてゆく原動力となる。(中略)

次に独身時代の男女に純潔を要求する第二の精神的価値は、「清らかさ」ということであろう。(中略)清らかであるということは心のレンズが澄んでいるということである。心のレンズが澄んでいると、神や宇宙の法則や、愛の働きが見えてくるのである。こうした至高の価値を探し求める人にとっては、ある時期、かたくななまでに純潔を守るということも大切なことであろうと思われる。
(PP.75-79)

※以上『原説・「愛の発展段階説」』より抜粋
  L 詳細を見る

企画、構成
編集者プロフィル
木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。




メールマガジン「人生いつからでも学び直し」は、2023年10月20日から配信を開始しました。※月1回第2土曜日にて配信中!
 大川隆法著作シリーズから、主にHSUシリーズを紹介して参ります!
 ぜひ、購読してみませんか。メールマガジンの登録はこちらへ

このページのTOP ▲