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【天国に還るための終活】第12回 人間関係を調整する方法 -「夫婦」編-

┃ 本当の終活とは「自分がなぜ生まれてきたのか」を悟ること (#2)

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┃ 2┃講師・僧侶によるコラム:「相手のため」ではなく、「相手の立場に立つ」
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「ネバーエンディング・セミナー」講師・僧侶の田中稔之さんのコラムをお届けします。

 互いに愛し合い、周囲からも祝福されて結婚した夫婦も、長く暮らしているうちに、すれ違いが起きてくるものです。恋愛と夫婦愛とは違うと言われますが、子育ても終わり、夫の社会的立場も変わってくると、それぞれの立場も微妙に変化してきて、さまざまな葛藤が出てくるようです。

 ある夫婦のお話です。ともに50代の半ばに差しかかった頃、子どもも独立し、夫婦二人だけの生活になりました。夫は会社でも出世し、責任ある立場として、ますます忙しい毎日です。本来なら家庭円満、円熟した夫婦と言いたいところですが、何かとぶつかることが多くなっていました。夫は妻とのゆとりある老後のことを考え、頑張れるうちに働いておきたいと思っていました。一方、妻は夫の健康を気遣い、無理のない、余裕のある生活をしたいと思っていました。経済的には苦しいわけでもありません。

 二人とも心の勉強をしていて、「相手のため」を考えて、気配りを怠りませんでした。ところが、ある時、ある言葉にドキッとしたそうです。「相手のためにというのと、相手の立場に立つ、というのとは違う」――。二人は「相手の立場に立って見る」という「心を見つめる」反省をしてみました。そして、「相手のためと思っていたのに、結局、相手を自分の考え方に合わせていた」ということに気づいたのです。

妻は夫の健康を気遣っていましたし、やっと夫婦水入らずの生活が出来るようになって、旅行にも行けると思っていたのですが、夫の会社での立場や、老後のことを考えていた夫の気持ちを理解していませんでした。夫は、家族のため、妻のためと思ってこんなに頑張っているのに、ちっとも理解されず、愚痴ばかり聞かされると思っていました。妻が子育ての束縛から解放され、もっと夫婦の時間を欲していたということを無視していたのです。

相手の立場に立って考えて見て気づいたのは、相手のため、他人のため、と言いながら、結局、自分の都合を相手に押しつけていたというものでした。お互いを思いやるつもりが、奪う愛になると、ささやかな善意は、冷たい仕打ちになっていたりするものです。とくに夫婦は相手も同じように考えているはずだと思い込みがちです。気をつけたいものですね。


講師プロフィル
田中稔之(たなか としゆき)
 1959年、真言宗の寺院に生まれ、大正大学仏教学部に進学。僧籍を得るが中退し、コンピュータのソフト開発会社に就職する。89年、幸福の科学に奉職。延べ8,000人を動員している「ネバーエンディング・セミナー」講師として活躍。

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 田中講師:セミナーのお知らせ
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 「地獄に堕ちないための終活セミナー」
  テーマ:『地獄の法』来世幸福編について 

◆日時: 2023年8月27日(火)14:00~
◆場所:渋谷精舎(東京都渋谷区鶯谷3-12)TEL 03-3457-1757
 最寄り駅/渋谷駅より徒歩15分
◆有料 ※詳細は、電話にてお問い合わせください。
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┃ 3┃スピリチュアルルポ:人心掌握術「松下幸之助」の場合
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 人心掌握術に長けていたといわれる二人目は、電球の二股ソケットの大ヒットを皮切りに、パナソニックホールディングスを一代で築き上げた松下幸之助です。幸之助翁といえば、1929年、世界大恐慌の煽りを受けて日本が大不況に陥った折、「一人も解雇してはならない。一円も給料を下げてはならない」という経営方針を貫きます。

通常、経営の合理化を図るためには固定費の削減から入り、減給、解雇に到るものですが、幸之助翁は生産を半減、工場は半日の勤務体制へと舵を切ります。そして、給与は全額支給するが、社員は全員、休日を返上して在庫を販売するようにという方針を出しました。社員も幸之助翁の英断に奮起し、結果、在庫は一掃されました。社員の団結力が一段と高まるとともに、企業存亡の危機を乗り切ることが出来たのです。

 早くから人材育成の大切さを痛感していた幸之助翁ですが、自身が9歳で丁稚奉公に出されたため、小学校の中退を余儀なくされました。教育を十分に受けられなかったという後悔もあったのでしょうか、従業員が50人ほどに増えた頃、小学校卒業者が旧制中学5年間のカリキュラムを3年で学ぶことができる「松下電器店員養成所」を開校。

自らも教壇に立ち、社員の人間修養に取り組みました。幸之助翁が、従業員を家族同様に慈しんでいたことは、「物故従業員慰霊塔」の竣工に見ることができます。幸之助翁が物故社員の名前と祭文を読み上げる際、在りし日の社員を思い出したのか、号泣する姿にもらい泣きをしたと当時の参列者たちは述懐しています。

 幸之助翁の人材育成における真骨頂は、「寛厳よろしきを得る」でしょう。最近では、褒めて育てる教育が主流だと言われますが、幸之助翁は経験上、「褒めれば人は育つ」ということはあり得ないと断言します。その時々の状況に応じて二者択一ではなく、「寛」に捉われず、また「厳」に捉われないことが求められると言います。そして、その前提として人格を尊重する姿勢が必要だとも述べています。幸之助翁は、一人ひとりの人間のなかにダイヤモンドの輝きを見出していたのです。



*** もっとおススメ本 ***

●『大恐慌時代を生き抜く知恵』
―松下幸之助の霊言―
/大川隆法(著)

/1,650円(税込)
(2020年5月発刊)
 L詳細を見る

 本書はコロナパンデミックが始まり、半年余りが経過した時点で収録された霊言です。幸之助翁は、政府の感染症対策を一刀両断。「感染死亡者」の見切りの必要性や、当てにできない政府の補償にも言及します。

さらに日本社会の先行きを予測しつつ、厳しい時代を生き抜く知恵を示します。また、幸福実現党への異次元発想のアドバイスは痛快そのもの。「銀行が融資をして、企業を潰さずに続けさせることが大事」、「感染を怖れ過ぎず、『インフラを八割残す国家構想』を持つべき」、さらに「今、日本を護るための“特攻隊精神”とは」など、幸之助翁の知恵ある言葉で溢れる価値がある一書です。

企画、構成
編集者プロフィル
木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。




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