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【天国に還るための終活】第17回 「臓器移植」〈後編〉

┃ 誰も教えてくれない本当の終活

 終活ブームの始まりは、2010年前後の日本の社会状況が背景にあると言われます。少子化、核家族化、長寿社会の到来、さらに離婚率の増加も一つの要因です。

また、幸福の科学をはじめとした宗教の社会啓蒙により、人生観や死生観が変化しました。さらに、東日本大震災や近年のコロナ渦も、「死」を見直すきっかけになったと言えるでしょう。

ただ、今の「終活」が、この世的な手続きだけに終始している点は残念でなりません。

本当の終活とは、あの世の世界のことを知り、この世に執着を残してしまうことで家族に迷惑をかけることのないよう、心の備えをすることです。

「天国に還る」ための終活を、ともに考えてまいりましょう。

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┃【天国に還るための終活】
┃ 第17回 「臓器移植」〈後編〉

◆◇目次◇◆
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 1 天活シリーズ:「臓器移植」〈後編〉
 2 終活コーディネータによる「されど終活」:家族への遺言
 3 天国に還るための「反省」のすゝめ:『エル・カンターレ 人生の疑問・悩みに答える 人間力を高める心の磨き方』より
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┃ 1┃天活シリーズ:「臓器移植」〈後編〉
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 ルポルタージュ「消えゆく人々……、中国の闇に目をそむけてはならない」

 生きたドナーから臓器を摘出する、いわゆる「臓器狩り」といわれる問題は、現代中国の深い闇として、かねてより指摘されていました。2023年3月、中国の生体臓器ビジネスの内情を暴いた『臓器収奪-消える人々』の著者イーサン・ガットマン氏が来日。私は東京千代田区の某会館にて行われた講演会に参加し、今まで以上にリアリティをもって、その戦慄すべき実態を知ることになります。

 彼は、中国専門の調査ジャーナリストであり、天安門広場での迫害の始まりを目撃して以来、中国の元高官や医師、強制労働所の所長などから聞き取り調査を実施。また、法輪功の迫害問題等を積極的に取り上げてきました。米国議会や国連などでの証言も多数あり、ノーベル平和賞の候補者(2017年)にもなっています。

さて、彼は講演の冒頭、1980年代の後半から、中国で行われてきた死刑囚を対象とした臓器収奪の案件を皮切りに時系列に関連した事案を解説しました。その流れのなかで、実際に臓器の摘出にかかわってきた証言者たちが現れた経緯を語ります。なかでも新疆にある処刑場で、上司の強制ともいうべき誘導のもとに、肝臓と腎臓を摘出したエンヴァ―・トフティ医師の証言(『臓器収奪-消える人々』に所収)には、胸の詰まる思いがしました。

1999年からは「法輪功」の大弾圧が始まります。いわゆる強制収容所に拘束されたおよそ200万人に及ぶ法輪功の修練者に対して、医療検査が実施されたのです。そのわずか3年後、海外の臓器移植を希望する患者の待機時間が、飛躍的に短くなったといいます。今でも、海外では平均30カ月から50カ月とされる患者の待機時間が、中国では1週間から1カ月という提示(中国の移植支援センター)があるようです。

 衝撃的だったのは、ケーススタディとして解説されたアスク市(ウイグル)の衛星写真です。アスク市に位置する感染病院の周辺には、再教育センターと称される収容所が2 棟、そこには50,000人余の人が収容され、わずか900m離れたところには、火葬場が設置されています。『臓器収奪-消える人々』のなかに収録された数々の赤裸々な証言からも、中国による隠蔽、虚言が明らかになったと言えるのです。

 この臓器収奪問題について、もはや曖昧な態度は許されません。日本政府はどっちつかずの態度を取らず、一刻も早く中国に対して厳然たる態度を示すべきです。その会場に来ていた一人のウイグル人の呟きが今でも耳に残ります。「友だちや知りあいのなかに、連絡が取れなくなってしまった人が増えています」と。寂しそうに語ったその表情に、この問題の深刻さを改めて感じました。知っていながら眼をそむけること、それこそが大きな罪なのです。


文責:木藤文人

*** 参考文献 ***

●『宗教立国の精神』
―この国に精神的主柱を―
/大川隆法(著)

/2,200 円(税込)
(2010年5月発刊)
 L詳細を見る

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〈本文より抜粋〉
 私は、数多くの体験から、「どの時点で死と言えるか」ということは明確に分かっているのですが、私たちの長年の主張が十分に反映されず、一部の意見として聞かれただけで終わったことはとても残念です。私も、幼い子供たちが新しい命を得て生き長らえ、社会で活躍できるようになること自体は、よいことであると思っています。

ただ、人間機械論的な思想が定着したり、「どうせ死ぬのだから、臓器を取ってもよい」という安易な思想が流行ったりすることに対しては、強く反対しておきたいのです。中国では、死刑を執行された囚人から臓器を取るということが行われています。「死刑囚は、どうせ死ぬのだから」ということで、死刑囚からの臓器移植がかなり行われているようです。

しかし、「どうせ死ぬのだからよい」ということであれば、人間はいずれ死ぬので、死刑囚であろうとなかろうと同じことになります。そのため、人間の命が粗末に扱われないように、これからも十分に気をつけなければいけません。

(PP.135-136)
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著者プロフィル
大川隆法(おおかわ りゅうほう)
 幸福の科学グループ創始者兼総裁。
1956年、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。信者は世界171カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。著作は42言語に翻訳され、発刊点数は全世界で3150書を超える。また、27作の劇場用映画の製作総指揮・原作・企画のほか、450曲を超える作詞・作曲を手掛けている。

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